おはぎ

こんにちは、暦では秋になったとはいえ暑い日が続きますね。暑さ寒さも彼岸までとよく言われるように、もうそろそろ気温も下がってくるんじゃないかと期待している今日この頃です。

いま日本はお彼岸のシーズン。お彼岸とは春と秋の二回あり、春分の日または秋分の日を挟んで前後三日の期間を指し、お彼岸中には先祖供養をする習慣があります。お墓参りに行ったり、仏壇に食べ物をお供えしたりします。

お彼岸の時に伝統的に食べられる和菓子が「おはぎ」です。今回は「おはぎ」についてお話ししたいと思います。

おはぎとは?

おはぎは、もち米とうるち米を混ぜて炊いたものを、お餅のように完全に粒をつぶして搗(つ)ききらずに、半搗きといわれる粒を少し残した状態まで搗いて丸め、周りをあずき餡やきな粉、ゴマなどでくるんだものです。

食べたときに周りのあずき餡などの甘さや香りと、やわらかい歯ごたえの中にお米の粒感とお餅のような粘りとが感じられる、昔からの庶民的な和菓子です。

おはぎには別名がある?

秋のお彼岸に無くてはならないのが、粒が残った「半殺し」と呼ばれるお餅にあんこをまとった「おはぎ」。実は、春のお彼岸に食べる「ぼたもち」と全く同じお菓子なのです。

その理由は諸説存在しますが、18世紀初頭に出版された百科事典「倭漢三才図会」には「牡丹餅および萩の花は形、色をもってこれを名づく」とあり、ぼたもちは春の花である牡丹、おはぎは秋の花である萩にちなんで命名されたという説が最も有力です。ただし、こしあんを使ったものがぼたもち、粒あんを使ったものがおはぎ」、「あんこを使ったものがぼたもち、きな粉を使ったものがおはぎ」という地域もあります。

なお、お彼岸にぼたもちやおはぎを食べる習慣が定着したのは、先祖供養の一環であると同時に、春は豊作を祈念し、秋は収穫を感謝するための神への供え物だったからだといわれています。

おはぎには夏と冬にも名前がある?

春と秋以外にも夏と冬にもおはぎの呼び名があります。

夏は「夜舟」、冬は「北窓」と呼ばれます。

なぜこんな名前なのでしょうか?
おはぎは、お餅と違い、餅つきをしません。よって杵でつかないので、「ペッタン、ペッタン!」と音がしないのです。

具体的には、もち米とうるち米を混ぜて炊いた後、すりこぎで半つぶしにします。

ということで、ペッタンペッタン音がしないので、お隣さんなどからするといつついたのか分からない。そういうところから、

→ 搗(つ)き知らず → 着き知らず、となり

夜は舟がいつ着いたのか分からないことから「舟」となったようです。

北窓については、

おはぎは餅つきと違い、杵でつかないのでペッタンペッタンと音がしない。だから、いつついたのか分からない、までは同じです。ここからの変化が違います。漢字に注目です。

→ 搗(つ)き知らず → 知らず、となり

月の見えないのは、北の窓なことから「北窓」となったとのこと。

それぞれとんちがきいていて面白い呼び名ですね。

昔は買うものではなかった

江戸時代、お彼岸に自家製「おはぎ」を贈る風習がありました。江戸時代になって砂糖が国内で多く生産されるようになると、おはぎの材料は一般庶民でも比較的に手に入れやすい食材だったこともあり、家庭でも作られていました。

そして、家庭で作ったおはぎをお彼岸の時に近隣などで贈りあっていたことが、江戸時代後期の風俗誌『守貞謾稿(もりさだまんこう、1853年)』にも記載されています。

織田信長がポルトガルの宣教師から金平糖を贈られたように、昔から甘いお菓子は、贈る人と贈られる人の関係を近づける重要な役割をもっていました。おはぎにも近隣の人との関係をよくする、そんな役割があったのです。

江戸時代はさまざまな和菓子の発展期


家庭では比較的安価な黒砂糖を使っていたようですが、江戸の町には白砂糖を使った、おはぎの有名店もあって繁盛していました。


江戸時代後期は砂糖の国産化にともなって庶民的な和菓子が発展し、その有名店ではすでに現代と同じようにあずき餡、きな粉、ゴマの三種類のおはぎが売られていました。
庶民の中に日常的に和菓子を買って食べる生活が確立されていたと思われます。

進化するおはぎ

昔ながらの伝統的な和菓子「おはぎ」。素朴なお菓子のイメージを持たれる方も多いと思いますが、現代風にアレンジしオシャレに進化したおはぎも出てくるようになりました。




和菓子一種類でもここまで掘り下げて発展していけるなんて、まだまだ和菓子には伸びしろがあるなぁとつくづく感じます。

いかがだったでしょうか?今回はおはぎについてお話しました。お彼岸の時期の和菓子屋の仕事風景などもお伝えしたかったのですが、長くなりそうだったので、また別の機会にお伝えしたいと思います。

読んで下さりありがとうございました。また、次の投稿でお会いしましょう!

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